
Complete resequencing of 40 genomes reveals domestication events and genes in silkworm (Bombyx).Xia Q, Guo Y, Zhang Z, Li D, Xuan Z, Li Z, Dai F, Li Y, Cheng D, Li R, Cheng T, Jiang T, Becquet C, Xu X, Liu C, Zha X, Fan W, Lin Y, Shen Y, Jiang L, Jensen J, Hellmann I, Tang S, Zhao P, Xu H, Yu C, Zhang G, Li J, Cao J, Liu S, He N, Zhou Y, Liu H, Zhao J, Ye C, Du Z, Pan G, Zhao A, Shao H, Zeng W, Wu P, Li C, Pan M, Li J, Yin X, Li D, Wang J, Zheng H, Wang W, Zhang X, Li S, Yang H, Lu C, Nielsen R, Zhou Z, Wang J, Xiang Z, Wang J.
Science. 2009 Oct 16;326(5951):433-6. Epub 2009 Aug 27.
カイコガ(以下カイコ)は中国において野生のクワコ(
写真:虫央堂さん)より選抜され、絹生産用に家畜化された蛾である。考古学的な研究により、養蚕の歴史は少なくとも5000年以上であることが明らかになっているが、家畜化の初期過程がどのように進んで行ったのかは明らかではない。養蚕は多地域で同時多発的に起こったのか、それとも一部の地域で始まりその後で広まったのだろうか。
上記論文では29系統のカイコ、及び11系統のクワコを材料にゲノムの比較を行い、家畜化の過程を検討した。その結果、カイコは野生のクワコとは明確に区別された。このことはカイコの起源が多地域でないことを示唆する(但し、クワコのサンプリング地点には偏りがある)。また、その遺伝的多様性はクワコよりは小さいものの、比較的大きなものであった。この結果は家畜化が比較的大きな個体数を用いて行われ、その後も多様性が維持されたことを示唆している。鱗翅目昆虫は比較的近親交配による悪影響が出やすいと聞く。小さな個体数を用いた試みは失敗に終わったのかもしれない。
家畜化に伴って選択された遺伝子についても今回の解析で明らかになった。絹生産に関わる遺伝子に加えて、ショウジョウバエで飛翔に関連していると考えられるparamyosinなどの遺伝子が明らかになった点は興味深く感じる。
今回解析された系統は化性や休眠性、体色などについても多様な筈で、詳細にデータを比較することで様々な形質に関連する遺伝子の候補が明らかになるだろう。使いようによっては宝の山なのではないだろうか。

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