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貯穀害虫:流通経路に乗って



Camilla Ryne, Staffan Bensch
Do anthropogenic transports facilitate stored-product pest moth dispersal? A molecular approach
Naturwissenschaften [Epub ahead of print] ISSN 0028-1042 (Print) 1432-1904 (Online)

 貯穀害虫というのは文字通り、貯めてある穀物を食べる害虫である。穀物だけでなくて、小麦粉や乾燥パスタなども食べる。皆さんも「動く米粒」をみて寒い思いをした経験が一度くらいはあるかも知れない。

 先進国では「貯めていた穀物が殆ど食べられちゃいました」といった大規模な被害は無いが、衛生に対する考えが「妙に」高かったり、虫をみただけでパニックになってしまう方が多いため、混入は業者にとって大問題である。

 多くの場合、貯穀害虫対策は貯蔵庫や工場毎にとられている。しかし、直感的にはすぐに理解できるのだが、温帯より高度地域では昆虫が自らの力で、そう易々と工場から工場へ移動できるはずがない。流通経路で生産物と共に移動すると考えるのが自然である。もしそうだとしたら対策は一つの工場だけでとっても効果に乏しく、流通経路全体で何らかの対策を講じるないといけないだろう。そして、実際にそういう対策をとっている企業も多いと聞く。

 しかし。虫の移動が実際に流通経路に沿っているのかどうか、調べた研究はなかったそうで、上記論文ではスウェーデンとデンマークの工場間で、小麦粉などに発生するスジコナマダラメイガが流通経路に乗って移動していることをAFLP法による遺伝型の解析によって明らかにしている。

 この前、セミナーで隣の部屋のMさんの話を聞いたが、食品に入り込む害虫の対策というのは本当に各企業とも気を使っているようだ。ま、確かに食品のパッケージを開けて虫がわらわらと出てきたら、虫に慣れている私でも声をあげて驚くと思う。今風の人らにとっては悪夢だろう。
 
 こういうのって食の安全性とごっちゃになって語られがちだけど、本質的には所謂食の安全性とは関係ない。間違って食べてしまっても、実害は無いに等しい。完全な対策を望む気持ちもわかるが、そのためにはコストがかかることを忘れないようにしよう。確かに虫の取り分をこちらが負担してやることもないが、それはお店に言って交換してもらえば済むことだ。ヒステリックに騒ぐのはどうもスマートではない気がする。



ポイントが増えとる。オオメカメムシ君の効果なのだろうか。
by g-hop | 2007-08-27 12:48

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