IE9ピン留め

サラマンダー:天敵がいると大胆に



 ああ、血の匂いがする。誰かがまたやられたのだ。

 奴らが近くにいるに違いない。

 戦って勝つことなどできない。そんなことをしてもやられるだけだ。

 せめてあともう少し体が大きければ、何とか生き残ることができるかもしれないが。

 しかし、敵は近くにいる。

 ここは、じっくり隠れながら慎重に栄養を摂取するべきか、それとも思い切って急速に栄養を摂取して早く大きくなるべきか。いや、死んでしまっては何にもならない。

 さあ、どうする?

Urban, M
Risky prey behavior evolves in risky habitats
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 10.1073/pnas Published online before print August 27, 2007

 アメリカに生息するサラマンダー(サンショウウオ)のお話。マーブルサラマンダーは秋に繁殖し、春には幼生は大きくなっている。一方、スポッテッドサラマンダーは春に繁殖し、小さな幼生はマーブルサラマンダーのいる水溜りでは餌食になってしまう。

 以前から、両者がいる地域ではスポッテッドサラマンダーの成長が早いことが知られていた。早く大きくなると食べられにくくなるため、このような進化が起こったと考えられている。

 上記論文では、地域毎にスポッテッドサラマンダーの摂食速度が異なり、それはマーブルが存在する地域で速いこと、さらに同じ地域の個体であっても、マーブルの匂いのついた水を混ぜると摂食速度が増大することを報告している。天敵がいると大胆になるという、このような反応は実に意外である。生物進化の妙を改めて感じさせてくれる一本だった。



by g-hop | 2007-08-28 17:48 | その他論文

<< 氷殺ジェット販売中止    貯穀害虫:流通経路に乗って >>

とある昆虫研究者のメモと日記。主に面白いと思った論文の紹介をしています。リンクフリー。コメント大歓迎。
by G-hop

お気に入りブログ
ライフログ
最新のコメント
haruさん コメ..
by g-hop at 13:27
日本文化昆虫学研究所さ..
by g-hop at 13:21
はじめまして。 現在大..
by haru at 16:12
 こんばんは.貴ブログの..
by 日本文化昆虫学研究所 at 23:48
NYinMNさん ..
by g-hop at 19:28
Thompsonsさん..
by g-hop at 19:26
いつも拝見しています。再..
by NYinMN at 01:26
はじめてコメントさせてい..
by Thompsons at 22:00
ゆかさん 初めまし..
by g-hop at 19:08
wolf-powさん ..
by g-hop at 19:04
カテゴリ
以前の記事
検索
最新のトラックバック
幼若ホルモン
from ŷŨWiki (PukiWi..
フタテンチビヨコバイ
from ŷŨWiki (PukiWi..
ボルバキア
from ŷŨWiki (PukiWi..
ここは酷い乗らずに無くそ..
from 障害報告@webry
コマユバチ科
from ŷŨWiki (PukiWi..
オオモンシロチョウ
from ŷŨWiki (PukiWi..
オオモンシロチョウ
from ŷŨWiki (PukiWi..
ミツバチ
from ŷŨWiki (PukiWi..
そろそろ感染する癌につい..
from SaitoToshiki.com
カレイの頭骨の非対称性の起源
from 雑記帳
ネームカード
おすすめキーワード(PR)
ファン