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カテゴリ:未分類
  • 永久機関?
    [ 2009-03-21 11:49 ]
  • アブラムシのゴール修復
    [ 2009-02-27 13:16 ]
  • 花:玉虫色のシグナル
    [ 2009-02-26 19:43 ]
  • カイガラムシ:カメラ眼の進化
    [ 2008-12-17 18:09 ]
  • カササギ:鏡に映った自分がわかる
    [ 2008-08-19 12:10 ]
  • Answers Research Journal
    [ 2008-02-08 17:48 ]
  • 蚊を絶滅させるための「遺伝子組み換え蚊」
    [ 2008-01-31 08:31 ]
  • HAARP
    [ 2008-01-08 18:22 ]
  • アシナガバチ:女王とワーカーにおける子育て行動の分子生物学的共通性
    [ 2007-10-01 17:41 ]
  • 貯穀害虫:流通経路に乗って
    [ 2007-08-27 12:48 ]


永久機関?
発電装置:太陽光や風力より効率良く、電磁力で電力供給--木下さん開発 /神奈川

 今さら新聞社に多くを期待しているわけではないが、これはあまりにも酷いんじゃないか。効率良いとかそういう問題じゃない。記事の通りならそれは永久機関。本当なら凄いんだけど。


by g-hop | 2009-03-21 11:49


アブラムシのゴール修復



いつも楽しみに拝読しているこちらのブログで興味深い論文が出ていたことを知る。

以下のプレスリリースで判りやすく説明されているので是非読んでみてください。

昆虫による植物組織の修復・再生現象の発見 -植物の傷を自己犠牲的に自分の体液で塞ぎ、口針で癒す兵隊アブラムシ-

「癒す」という表現は妥当だとは思うのだけれど、植物の側からすればアブラムシとゴールは邪魔者だろう。傷口がそのままになって真菌の進入を受けたりするよりはマシなのかもしれないけれど。


by g-hop | 2009-02-27 13:16


花:玉虫色のシグナル



Floral iridescence, produced by diffractive optics, acts as a cue for animal pollinators.
Whitney HM, Kolle M, Andrew P, Chittka L, Steiner U, Glover BJ.
Science. 2009 Jan 2;323(5910):130-3.

虹色、あるいは玉虫色の光沢というのは様々な生物が示す色彩である。ヤマトタマムシはその名の通り、見事な玉虫色の光沢を放つし(という表現は変か)、鳥、魚、爬虫類などの様々な動物が微細表面構造による光の回析によって見事な玉虫色を作り出しており、種内のコミニュケーション等に利用されている。

上記論文では植物の花が玉虫色の光沢を示す例を報告している。ハイビスカスの一種とチューリップ属の種では花が玉虫色を放つ部位を有する。この玉虫色の輝きは表面構造による回析格子に由来するものであった。

多くの花の色には花粉を運んでくれる昆虫を誘引する効果がある。しかし、玉虫色というのはご存知のように見る位置によってその色が劇的に変化する。花を訪れる昆虫は玉虫色を認識することができるのだろうか。
セイヨウオオマルハナバチを用いた実験の結果、ハチは異なる玉虫色を見分け学習することができることが明らかになった。

著者らは既に被子植物の10科の花で玉虫色の発色を確認しているらしく、玉虫色による昆虫との相互作用はかなりの普遍性を持っている可能性がある。


←10日も休んですみません。応援宜しくお願いします。
by g-hop | 2009-02-26 19:43


カイガラムシ:カメラ眼の進化



Buschbeck EK, Hauser M.
The visual system of male scale insects.
Naturwissenschaften. 2008 Dec 4. [Epub ahead of print]
PMID: 19052719 [PubMed - as supplied by publisher]

多くの昆虫の成虫は小さな個眼が集まって形成される複眼を持っている。このような複眼システムは我々が持つカメラ眼に比べると解像度の面で劣ると考えられているが、反面、非常に幅広い視野を得ることが出来、また物の動きを捉えるにも適していると考えられている。

しかし、昆虫の中にはやはり変わり者がいて、それらの例外的な昆虫では祖先的な複眼からカメラ眼が二次的に進化したと考えられている。例えばカイガラムシの中には雄成虫の「複眼」が片側2個とか、3個しかないものがいる。こういった種では眼は簡単なカメラ眼の構造をしている。もっと眼の数は多いが、同じく小型であるネジレバネの雄の眼もカメラ眼構造を持つものが知られている。

上記論文では「複眼」に加えてその基部付近にstemmateran ocellusと呼ばれる大型の個眼を持つカイガラムシのグループ(Margarodidae)について解剖学的な検討を行っている。カイガラムシの雄は数時間から数日と非常に短命なので採集の機会が少なく、実験材料の入手は容易ではないとの事。

研究の結果、stemmateran ocellusはカメラ眼様の構造を持っていた。さらに「複眼」を形成する個眼についてもカメラ眼様の構造が見られた。以上の結果はカイガラムシにおいてカメラ眼が片側2~3個という非常に少数になる前から、一部の個眼が大型化すると共に、他の個眼についてもカメラ眼様の構造が得られていることを示唆している。

どうでも良いことだが、個眼が少ない虫というのはデザイン的に格好良いと思う。もっと大きければ良いのにとも思うが、恐らく小型化は重要な選択圧だったのだろう。


←スピリチュアルに抜かれました(泪)
by g-hop | 2008-12-17 18:09


カササギ:鏡に映った自分がわかる




Helmut Prior, Ariane Schwarz, Onur Güntürkün

Mirror-Induced Behavior in the Magpie (Pica pica): Evidence of Self-Recognition
PLoS Biol 6(8): e202 doi:10.1371/journal.pbio.0060202

以前のエントリ、「自分の姿がわかるゾウ」では、それまで知られていたヒト、類人猿、イルカに加えて、ゾウが鏡に映った自分の姿を自分であると認識できるという話を紹介した。

上記論文ではカササギも鏡に映った自分を自分であると認識できることを報告している(方法は象のときと一緒で、体の一部にマーキングした後、鏡の前特異的にそのマークを気にするかどうかを調べる)。体重に占める脳の重さはカササギの方が実はヒトよりも大きい。飛ぶために体が軽くできているせいも大きいけれど。


by g-hop | 2008-08-19 12:10


Answers Research Journal



天地創造説を支持する学者たち、論文審査のある専門誌を創刊 WIRED

 私、知人にも多くのキリスト教徒がおりまして、その人達の多くを尊敬していますし、聖書を読んで影響を受けた一人でもあります。だから、迂闊なコメントを書きたくありません。ただ、信仰と科学の折り合いをつける手段としては少なくとも正しくない気がします。

論文は、「天地創造説を支持し、おのおのの分野で天地創造説研究の優れた思索を行なっている一流の研究者、科学者、および神学者の大規模なネットワーク」による審査を経ており、「科学と神学の最高水準」を満たしたものばかりだという。

ある説に関して、その説を支持する人々によってのみ査読された論文が、科学の最高水準を満たすことは少なくともあり得ないでしょう。


by g-hop | 2008-02-08 17:48


蚊を絶滅させるための「遺伝子組み換え蚊」



蚊を絶滅させるための「遺伝子組み換え蚊」 WIRED VISION

Tet-off systemによる害虫防除についてはこのブログで扱っていなかったと思うのでリンクしておく。タイトルは大げさだけど。アンチな人の「抗生物質は自然条件でも摂取できる」というのは批判としては弱いと思う。むしろ大きな問題になってくるのは実効性だろう。また、組み換え遺伝子蚊が「絶対に」野外で生存できないかというと、例外も出てくるだろう。この前の「透かし」の入った人工ゲノム
のように、自然界に影響を及ぼさずとも、人の手が加わった跡のある生物が自然界に存在してしまうことを許容できるか否かという点については倫理的な議論の対象になるだろう。ただ、その時には、本来自然界に大量に存在しないはずの農薬を撒いていることの問題について併せて議論されなければならない。


by g-hop | 2008-01-31 08:31


HAARP



謎の米軍施設『HAARP』、公文書が認めるその能力は WIRED NEWS

以前から気になっていたけれど、陰謀論に関しては信じておらず、陰謀論が存在するが故に単なる軍関係の観測施設だと思っていたHAARP。こういうのっていけない傾向だな、と自戒するきっかけとなったニュース。報告書のPDF原文も見れる。

これを読むと「高層大気の観測できる」だけで、絶大な効果を発揮する「兵器」として運用可能なことがわかる。情報が近代戦の鍵となることは異論のないところだと思うが、HAARPは特定地域を隠すベールを作り出すこともできれば、地下施設発見の眼にもなるのだ。まあ、「ベール」の方はHAARPが赤外線で空を「明るく」した時点で「報復」に出る国家がほとんどだろうけれど。


by g-hop | 2008-01-08 18:22


アシナガバチ:女王とワーカーにおける子育て行動の分子生物学的共通性
Toth AL, Varala K, Newman TC, Miguez FE, Hutchison SK, Willoughby DA, Simons JF, Egholm M, Hunt JH, Hudson ME, Robinson GE.
Wasp Gene Expression Supports an Evolutionary Link Between Maternal Behavior and Eusociality.
Science. 2007 Sep 27; [Epub ahead of print]
PMID: 17901299 [PubMed - as supplied by publisher]

 同じ真社会性昆虫であってもアシナガバチとミツバチではずいぶん社会形態が異なる。ミツバチでは巣は「巣別れ」によって増える。巣別れ時には巣別れする女王に働き蜂(ワーカー)が付き添い、女王は新コロニーに移ってすぐに他の労働なしに産卵のみを行う。

 これに対して「原始的な」社会形態を有するアシナガバチでは女王が単独で巣作りを開始し、産卵しワーカーを育てるところからコロニーが始まる。コロニー創設期における越冬個体の行動は単独性の狩蜂とそんなには違わないが、やがてワーカーが羽化してくると産卵に専念する「女王」へと行動を変える。

 アシナガバチの個体はそれゆえに4つのカテゴリーに分割可能だ。産卵-子育ての両方を行う「創設期の女王(foundress)」、産卵のみを行う「女王(queen)」、子育てのみを行う「ワーカー(worker)」、越冬に備え、産卵も子育ても行わない「越冬前の女王(gyne)」である。

 進化的には、単独性で自ら巣作り、産卵、子育ても行う蜂から、産卵行動はとらないワーカーを持つ社会性の蜂が出現したと考えられている。このような過程では本来ワンセットであった産卵と子育ての「乖離」が起こったと考えられている。それゆえ「創設期の女王」と「ワーカー」の子育て行動の進化的な起源は一つであり、子育て時の脳における遺伝子発現プロファイルは似ていることが予想できる。しかし、実験的な検討は行われてこなかった。

 上記論文ではアシナガバチの一種、Polistes metricusを材料に、454シーケンサーを用いて大規模な発現解析(391,157個のcDNA!!)を行った結果が報告されている。

 得られたcDNAの配列はミツバチゲノムの3,017の遺伝子に当てはまり、ミツバチのゲノムのアノテーションに基づいて機能の推定がなされた結果(ミツバチだって機能解析されていないものがほとんどだが)、32の行動関連遺伝子が見つかった。これらの遺伝子の発現プロファイルは「創設期の女王」と「ワーカー」で似通っていた。以上の結果は創設期女王とワーカーの子育て行動の分子基盤が共通していることを示し、その進化的な起源が一つであること、すなわちワーカーでみられる「弟妹育て行動」は「子育て行動」を起源としているという仮説を支持するものである。

 この仕事は454シーケンサーを用いたトランスクリプトーム解析としては初期のものであり、この次世代シーケンサーの威力を改めて認識させられた論文であった。この手法が普及すれば、非モデル昆虫における分子生物学的解析の敷居はかなり低くなるだろう。




←応援宜しくお願いします。
by g-hop | 2007-10-01 17:41


貯穀害虫:流通経路に乗って



Camilla Ryne, Staffan Bensch
Do anthropogenic transports facilitate stored-product pest moth dispersal? A molecular approach
Naturwissenschaften [Epub ahead of print] ISSN 0028-1042 (Print) 1432-1904 (Online)

 貯穀害虫というのは文字通り、貯めてある穀物を食べる害虫である。穀物だけでなくて、小麦粉や乾燥パスタなども食べる。皆さんも「動く米粒」をみて寒い思いをした経験が一度くらいはあるかも知れない。

 先進国では「貯めていた穀物が殆ど食べられちゃいました」といった大規模な被害は無いが、衛生に対する考えが「妙に」高かったり、虫をみただけでパニックになってしまう方が多いため、混入は業者にとって大問題である。

 多くの場合、貯穀害虫対策は貯蔵庫や工場毎にとられている。しかし、直感的にはすぐに理解できるのだが、温帯より高度地域では昆虫が自らの力で、そう易々と工場から工場へ移動できるはずがない。流通経路で生産物と共に移動すると考えるのが自然である。もしそうだとしたら対策は一つの工場だけでとっても効果に乏しく、流通経路全体で何らかの対策を講じるないといけないだろう。そして、実際にそういう対策をとっている企業も多いと聞く。

 しかし。虫の移動が実際に流通経路に沿っているのかどうか、調べた研究はなかったそうで、上記論文ではスウェーデンとデンマークの工場間で、小麦粉などに発生するスジコナマダラメイガが流通経路に乗って移動していることをAFLP法による遺伝型の解析によって明らかにしている。

 この前、セミナーで隣の部屋のMさんの話を聞いたが、食品に入り込む害虫の対策というのは本当に各企業とも気を使っているようだ。ま、確かに食品のパッケージを開けて虫がわらわらと出てきたら、虫に慣れている私でも声をあげて驚くと思う。今風の人らにとっては悪夢だろう。
 
 こういうのって食の安全性とごっちゃになって語られがちだけど、本質的には所謂食の安全性とは関係ない。間違って食べてしまっても、実害は無いに等しい。完全な対策を望む気持ちもわかるが、そのためにはコストがかかることを忘れないようにしよう。確かに虫の取り分をこちらが負担してやることもないが、それはお店に言って交換してもらえば済むことだ。ヒステリックに騒ぐのはどうもスマートではない気がする。



ポイントが増えとる。オオメカメムシ君の効果なのだろうか。
by g-hop | 2007-08-27 12:48

    

とある昆虫研究者のメモと日記。主に面白いと思った論文の紹介をしています。リンクフリー。コメント大歓迎。
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