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カテゴリ:楽しい生物学
  • 百舌のはやにえ
    [ 2005-11-24 23:24 ]
  • 鱗粉の秘密
    [ 2005-11-18 22:59 ]
  • 木を喰う魚
    [ 2005-10-13 10:33 ]
  • ニモは冒険などしない?
    [ 2005-08-05 11:22 ]
  • 会ったことがないのに兄弟がわかる!
    [ 2005-07-06 16:19 ]
  • 戦争の放棄で社会繁栄?
    [ 2005-07-05 18:07 ]


百舌のはやにえ
百舌のはやにえについてこちらで面白い話を知りました。はやにえにする昆虫は必ずしも好きなものではないのですね。
by g-hop | 2005-11-24 23:24 | 楽しい生物学


鱗粉の秘密
チョウのりん粉:発光ダイオードと同じ結晶構造

毎日新聞より。ScienceのBreviaも見ましたが、グラフの見方がわかりません。こういう驚きもいいですね。

by g-hop | 2005-11-18 22:59 | 楽しい生物学


木を喰う魚
シロアリが共生細菌と自らが作るセルラーゼでもってセルロースを分解しエネルギーとしていることは今では良く知られた事実です。他の昆虫や線虫にも同じようなことをしているものがいます。しかし、木を食べてエネルギー源にしている魚がいるということは昆虫を研究している人にはあまり知られていないのではないかと思います。

Welcome to the wonderful world of wood-eating catfish !(木を喰うナマズの素晴らしい世界へようこそ!)

「木を喰うナマズ?」と思われる方が多いと思います。確かに日本のナマズは捕食性で木を食べたりしません。しかし、ナマズというのは淡水魚の中では最も放散したグループで、様々な環境に生息し、植生も様々です。ナマズの中には水底に沈んだ流木(生息地のアマゾンでは無尽蔵に利用できる)を餌に選んだものもいるというわけです。

最近、コケを食うナマズを自宅の水槽に導入しました。それで、そういえば木を食うナマズもいたっけなあと思い出し、紹介しようと思ったわけです。

by G-hop | 2005-10-13 10:33 | 楽しい生物学


ニモは冒険などしない?
 衝撃の事実が明らかになりました。この研究により、ニモは冒険などしない可能性が濃厚になったのです。

 あの時子供と一緒に涙を流したのに「えーっと、ニモって何だっけ」と最近、海馬が弱り気味のお父さん、お母さんはまずこちらをご覧ください。

Coral reef fish larvae settle close to home.
Curr Biol. 2005 Jul 26;15(14):1314-8
Jones GP, Planes S, Thorrold SR.

 最新号のCurrent Biologyに掲載された上記の論文よると、クマノミの一種(トウアカクマノミ)は生まれたところからほとんど動かず、冒険などしないそうです。がっかり。嘘だったのかよ。まあ、まったり生きるのもいいけどさ。

 もっともニモはカクレクマノミという設定で今回の研究対象とは種が違います。ニモファンの人はその辺に希望をつながれては如何かと。
 
 今日も哺乳類の培養細胞をいじくっています。昆虫研究者かどうか怪しくなってきたな。楽しいからいいけど。
by G-hop | 2005-08-05 11:22 | 楽しい生物学


会ったことがないのに兄弟がわかる!
 クジャクは綺麗なだけではなく、凄い能力を持っているというお話です。この文章は一般の方向けに書きました。

Peacocks lek with relatives even in the absence of social and environmental cues  Nature 401, 155 - 157 (09 September 1999);

 クジャクの雄にみられる美しい尾羽は雌に対して性的に訴えかける信号であると考えられています。実際にクジャクが雌に性的なアピールをするときは、雄同士が集まる(繁殖のためのこの集団をレックといいます)ことが知られていて、複数の雄が一斉に羽を広げて雌にアピールします。ところが、レックの中で実際に交尾できるのは優位の雄のみです。あとの雄は飾りというか何というかそのままでは子孫を残せません。

 昔のTV番組では「種のための犠牲」なんて言葉が良く使われていましたが、人間以外の生物も人間同様、赤の他人のために自分を犠牲にしたりは一般にしないものです。

 そこでイギリスの公園に放し飼いにされているクジャク(インドクジャク)のレックを調べてみると、レックを構成する雄同士は血縁関係が深いことがDNAの情報からわかりました。

 私がこの論文を読んだのはもうだいぶ前ですが、ここまで読んだとき「うんうん。そうだろうね」と思ったものでした。赤の他人のためにはクジャクは頑張らないわけです。

 驚いたのは次の実験結果です。

 次の実験では兄弟は卵のうちに離れ離れにされ、他人と一緒に育てられます。そして、大きくなったある日、公園に放たれたのです。

 個々の雄は一緒に育った他人ではなく会ったことの無い血縁者とレックを形成しました。このことはクジャクが会ったことの無い血縁者を認識することができるということを示しています。もう一つの可能性として、血縁者同士は生まれつき同じような場所を好むということも考えられます。しかし、親がレックを形成していた場所と子供達がレックを形成した場所は異なっていましたので、その可能性は高くないと考えられます。

 どうやって血縁者が認識されるのかはこの論文の時点ではわかっていないようですが、凄い能力だと思いました。人間にもそういう能力があるかも知れませんね。街を歩いていて「他人のような気はしない人」がいたらそれはひょっとしてあなたの...。

追記:そういえばpeacock=クジャクだと思っていましたがpeacok=クジャクの雄であり、雌はpeahenというのですね。この論文を読んではじめて知りました。
by G-hop | 2005-07-06 16:19 | 楽しい生物学


戦争の放棄で社会繁栄?
この文章は一般の方向きに書きました。

 アルゼンチンアリはその名の通り、アルゼンチン原産の小さなアリですが、現在は物流に乗って世界中に分布を広げています。日本でも最近になって侵入し、問題視されています(アルゼンチンアリの名前で検索してみてください)。小さなアリが問題視されているのは、このアリが住居内に巣を作ることがあり、人に恐怖心を与えること、さらに、このアリは他のアリを駆逐してしまうことがわかっているからです。

 では何故、この小さなアリが世界中で繁栄することができたのでしょう。

 この質問に対する答えは原産地であるアルゼンチンに隠されています。アルゼンチンではこのアリの巣はさほど大きくなりません。何故巣が大きくならないのか、という答えは一つではないのでしょうが、研究者の観察によって違う巣同士のアリが頻繁に闘争していることがわかりました。一方で、海外に侵入した地域のものでは同一地域内での闘争がほとんど起こらないどころか、巣が融合して巨大な巣を形成することがあるのです。つまり、このアリが侵入先で巨大なコロニーを作り、繁栄している理由の一つは戦争しないことであると考えられるわけです。

 素晴らしい話ではないですか! 戦争放棄でみな繁栄。しかし、実はがっかりするカラクリがあるのです。

Reduced genetic variation and the success of an invasive species.

 この雑誌は無料でどなたでもダウンロードできるので、英語が読める人は読んでみてください。

 内容としては、1.原産地であるアルゼンチンでは遺伝的な多様性が高いため、巣の間での闘争が頻発すること。、2.偶然、船などに乗って海外に進出することができるアリは遺伝的多様性に乏しいこと。3.そのため、ある地域に侵入したアリは遺伝的に均質(みんな家族のようなもの)であるため闘争が起こりにくい、というからくりなのでした。戦争を放棄するにはそれなりの理由があったということになりますか。

 一般に生物がある地域に侵入する場合、その遺伝的多様性は高い方が良いと考えられています。これは新しい環境に適応できる可能性が高くなるからです。アルゼンチンアリのケースは侵入地での繁栄が小さな遺伝的多様性によって高くなることもある、ということを示した興味深いケースです。

 なお、「だったら原産地からいろんな遺伝的背景を持つ個体群を侵入地に導入したら戦争を始めて被害を低くできるのではないか」、という考えが浮かぶ人もいるかもしれません。しかし、実行には慎重になった方がいいでしょう。巣同士の闘争は弱い個体群を今までは分布していなかった地域に追いやるなどして、逆に分布域の拡大→被害拡大ということを引き起こしかねないからです。

 
一連の話は以下の文章に簡単にレヴューされています。Ref.等はこちらからどうぞ。

Pax Argentina
by G-hop | 2005-07-05 18:07 | 楽しい生物学

    

とある昆虫研究者のメモと日記。主に面白いと思った論文の紹介をしています。リンクフリー。コメント大歓迎。
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