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カテゴリ:過去の出来事
  • 忘れられない質問
    [ 2006-08-09 12:52 ]
  • 山の時間(下)
    [ 2006-02-04 21:38 ]
  • 山の時間(中)
    [ 2006-02-03 16:06 ]
  • 山の時間(上)
    [ 2006-02-02 17:36 ]
  • 河童沼の写真
    [ 2005-12-05 23:24 ]
  • 河童
    [ 2005-12-05 15:26 ]
  • 霊体験
    [ 2005-12-03 01:58 ]


忘れられない質問
学会などの発表で失敗をする、というのは多くの研究者にとって怖いことだと思います。学会に参加するようになって間もない頃は特に批判や質問に対して大きな恐怖感を抱いていました。

やがて学会発表にも慣れ、質問や批判などもあったほうが嬉しく感じられるようになってきた頃、恐らくは生涯忘れられない質問を受ける事になったのです。

発表を終えると、私が研究していた分野で非常に重要な発見をした大御所(既に退官されて久しい)が手を上げてくださいました。それを見たときは、とても嬉しく、興奮したのを覚えています。

先生はご自分為された発見について簡単に触れられた後で、いかに私がメカニズムを明らかにしようと取り組んでいた現象が興味深いかという点を強調してくださいました。

もう、嬉しくて嬉しくて。

しかし、次の瞬間、凍り付きました。先生はこう仰ったのです。

「で、未だにこの現象のメカニズムは良くわかっていないようですが、この問題に真剣に取り組んでいる人はいないのですか?」

時間が止まるというか、空気が凍りつくというか。軽い眩暈を感じたように思います。

少し考えてから、私は答えました。

「えー。私も真剣に取り組んでいるつもりではいるのですが...」

会場に笑いが広がりました。多分これまでの発表で一番笑いがとれた瞬間だと思います。笑いがとれたというよりも「笑われた」のか。

先生が何を意図してそのような質問をされたのかは正確にはわかりません。恐らくはその現象は面白いけれど、先生の疑問に答えるような大きな進展がないということを仰いたかったのだと想像します。そしてそのご指摘はかなり正しいと感じています。

に、してもショックでした。今でもご尊顔を拝見するとあの時の衝撃が蘇りますもの。




by g-hop | 2006-08-09 12:52 | 過去の出来事


山の時間(下)
さしたる構想もなく始めてしまったシリーズの最終回です(前回はこちら)。

かくして、村人達を困らせていたオオスズメバチの巣を発見、単独で撃滅した私は用意されていた宴へ招待されました。

↓少しだけお時間を頂けないでしょうか。クリックすると10点入ります。


その研究施設では数人の学生が住み込みで研究をしてた。モグラの類の研究をしているKさんの他にオオサンショウウオの研究をしている人、なんの研究をしていたかは忘れたが哺乳類の頭骨をこよなく愛している女性など、濃いメンバーが揃っていたのだ。聞けばY大のY先生も学生時代はここで糞虫の研究をしていたとのこと。

何も無い山中で、研究に打ち込む彼らは、私にはハーミットのように見えた。どの方も自分の研究対象を深く静かに愛している様子。オオサンショウウオの研究をしている人など、フィールドによっては自分の実験材料を見るのも大変だという話だった。彼はまた、ナイフを愛しているとのこと。彼がみせてくれたお気に入りのナイフは芸術品のような雰囲気を纏いながらも実用品としての芯をしっかり感じさせる逸品にみえた。

Kさんは私が出会ったことがある人の中でも屈指の「豪胆な人」だ。ここに書いたらまずいような愉快なエピソードを沢山聞いている。私も何回か豪胆さを目にしたが、木に登ったことくらいしか書けない。数回しか会ったことのないKさんのもとを訪れる気になったのも、何かとても楽しいことが山で待っている気がしたからだ。そういう意味ではKさんは趣向を凝らしたイベントを用意してくれていた。返す返すも巣が見つからなくて残念。

研究施設には技官さんがいて、その方が「蜂狩り」の中心人物のようだった。彼は酒宴が始まると、新鮮なクロスズメバチの仔を炒めて出してくれた。缶詰の蜂の仔しか食べたことのない私は蜂の仔をあまり美味しいと思ったことがなかったのだが、技官さんが出してくれたそれは全くの別物だった。肝のような濃厚な味。こってりしているけれど、しつこくない。少し濃い目に味付けされた蜂の仔は酒のつまみとして最高だ。

昼間は巣を見つけられなかったオオスズメバチの仔について尋ねてみた。オオスズメバチの仔を食べるという話は聞いたことがなかった。味については好みが分かれるかもしれないが、消化管を取り除けば、クロスズメバチより美味しいと評価する人も多いとのこと。消化管を取り除くのは手間だろうが、その手間をかけて、そしてクロスズメバチとは比較にならない危険を冒してでも食べる人がいるという点でもって私はその美味しさを想像したした。是非、危険は冒さずに一度、食べてみたいものだ。

そういえば、同じVesapa属でもヒメスズメバチなんて大きさもなかなかだし、幼虫の餌がアシナガバチの仔なので美味しいかもしれない。攻撃性も弱いのは大きな魅力。今度挑戦してみようかな。

私が昆虫の研究をしているということで、技官さんはクロスズメバチのことを私に尋ねてきた。この辺の人は春先に巣作りを始めた女王を捕らえてきて飼育を開始し、昼間見たような庭先の箱でコロニーを大きくして、秋に幼虫を食べるとのこと。巣箱はいくらでも置けるし、ミツバチと違って餌は準備できるので、生産の際の制限要因となるのは春の越冬女王の確保であるらしい。確かに山で沢山の巣を見つけるのは難しいだろう。

そこで、秋に管理下にある巣から羽化してくる沢山の新女王を交尾させた後で越冬させ、春先に巣作りを始めさせたら、大量の巣が確保できると考え、色々試しているそうだ。色々工夫をして、交尾まではさせることができるようになったし、冬越しもさせられるようになったが、越冬後の女王が巣作りを開始しなかったり、開始してもすぐに死んでしまうので困っているのだ、と技官さんは言った。

「どうしたらいい?」

と聞かれても、

「今は、わからないですね」

と答えるしかない。

ただ、試してみたら上手く行く可能性の高い方法が思い浮かんだので、その方法を技官さんに伝えた。すると、

「博士課程は名大に来なさいよ」

と技官さんは言う。一緒にここで蜂の研究をしようと。指導教官は探してくれるとのこと。さらに、

「毎日、日本酒二合と、鹿の肉を出してもいいぞ」

と技官さんは真顔で言うのである。

回想記でも書いているように、もともと蜂から昆虫学に入ったのだし、修士課程までは休眠の研究をしてきたので(この話はまた回想記の方に書きます)、その二つを組み合わせて研究ができるというのは魅力的な話に聞こえた。しかも酒二合、鹿肉付き。クロスズメバチの仔も食べられるだろう。

しかし、少し考えて申し出を辞退することにした。その時には既に博士課程時代の恩師に出会っていた。そして、神戸大に進学することを、もう一つの選択肢と大分迷った末に決めた後だった。

その後も色々面白い話を聞き、美味しい特殊焼肉などもご馳走になりつつ、酒を呑み続けた。やがて、夜は更け、呑み会はお開きに。

翌朝は刈り取った草の巨大な塊に、シートを巻きつける作業のお手伝い。冬への備えだ。山の冬は急ぎ足でやってくる。

もう一晩、施設に泊めて頂き、施設を後にすることにした。その際、ゲストノートに

「また遊びにきたい」

と書いたが、その希望は適っていない。

意外だったのはその後、後輩のYさんがそこで研究生活を始めたことだ。たまに会って話を聞くと、楽しく生活している様子。

冬は厳しいだろうが、暖かくなったらまた行きたいなあ、と冬に想い、毎年暖かくなると忘れるということを繰り返している。

...。

生存本能が働いているんだろうね。

↓なかなか3位になれません。応援宜しくお願いします。

by g-hop | 2006-02-04 21:38 | 過去の出来事


山の時間(中)
昨日の続きです(こちらを先にお読みください)。

神新追撃中。ご協力を。




恐怖が飛来した。彼女は恐怖を与えるために黒と黄色の模様で身を包み、それに相応しい攻撃力を保持している。生得的な恐怖感をも与えるであろうその存在が、実際にどれほど恐ろしいのか、私は十二分に「知って」いたし、その恐ろしさを体験したくはなかった。

私は大学のA先生のことを思い出した。

A先生は大学時代に足まで隠れる大きなビニール袋を被って、キイロスズメバチの巣を棒で攻撃したことがあるらしい。誰もが一度は考える作戦だと思うが実践した話はそれ意外に聞いたことがない。

「で、上手く行ったんですか」

と聞く私に

「あまりに蜂の攻撃が凄くて、止めた」

と先生は微笑みながら答えた。ビニール袋を被って攻撃し、引き返してくる若者。タイムマシンがあったら、見てみたい風景の一つである。

兎も角。目の前にいる一匹の働き蜂でさえこの迫力なのだ。数百匹のインターセプターが飛び出してくる彼女達の城、-それもオオスズメバチの場合は地中にある-を無力化しなければならない。想像しただけで身の竦む思いだった。

それでも私には見栄があった。勇気でも何でもない。ただ、今ここから逃げ出すわけには行かないという見栄。農家の人たちの度胸試しに巻き込まれている感じもした。ならば皆も見栄で集まっているのだ。そうであるならば、なおさら逃げるわけにはいかない。直前になって、どうしても恐かったら逃げれば良いさ。そんな風に思った。

オオスズメバチは用意されたジュースをたっぷり腹に溜め込み、如何にも大儀そうに飛び立った。結構高く飛び立った彼女は木の向こうへと消えた。

トランシーバーで何かを話していたおじさんが、皆に何かを言い、私は車に乗るように言われた。聞けば大体の方向がわかったので、林道に人を配置して見張らせるというのである。

トランシーバーを渡され、林道で待機。とても静かで、鳥の声や虫の羽音、草木のざわめきが静寂をひきたてる。蜂を探すために空を見上げていると、思ったよりも多くの昆虫が飛んでいることに気付く。

たまにトランシーバーに通信が入るが、どうもあまり作戦は上手くいっていない様子。大きいとはいえ、空を飛んでいる虫を追うのだからそう簡単には行くまい。ふふふ。

結局、場所を変えつつ、日暮れ近くまで空を見上げたが巣は見つけられなかった。私は残念がってみせたが、計画が明らかになるたびに一瞬表情が無くなっていただろうから、「山の男達」にはバレバレだっただろうなあ。

ともあれ、オオスズメバチによって命を落とすこともなく、こうしてブログなど打っていられるのである。目出度い話ではないか。

ビグザムに乗るとか、おたるを着るとかすればオオスズメバチの巣に挑んでも良い。しかし、血気盛んな山の男と一緒に夜襲をかけるのだけは次回は丁重にお断りしよう。ちなみに夜襲をかけるのは危険だそうである。彼らはある程度夜目も利くらしいし、暗闇でパニックになるのはむしろヒトの方だ。

そんな緊張に満ちた半日も過ぎた。聞けばこの後の宴ではクロスズメバチの仔が振舞われるということ。普通はクロスズメバチだよね。

復路の表情はにこやかだったことだろう。

<続く>



by g-hop | 2006-02-03 16:06 | 過去の出来事


山の時間(上)
先日、焼き鳥屋で、某研究所の技官さんに会い、しばし話をした。以前にも会ったことのある人。

突然、ニワトリの研究をしろといわれる。んな無茶な。

それで思い出した過去がある。

あれは、わたくしが修士2年生だったころの話。

名古屋でやった学会の後、大学時代に知り合ったKさん(現科博)に迎えに来てもらって、名古屋大学の某実験施設に泊りがけで遊びに行ったのだ。名古屋で大雨が降った後で、山にあるその施設に着くまでのそこかしこで土砂崩れが起きていた。途中、名大の別の施設が半分土砂に埋まっているのも見た。雨はもう止んでいたが、普通ならば訪問は中止になるような状況に思えた。Kさんは昨日はシャベルをもって駆けつけた、と笑いながらいうが気の小さい私はあまり笑えなかった。同行の後輩、Yさんは普段から無表情で現状をどう考えているのかわからない。

「ここが最後のコンビニだけど買うもんある?」

と聞かれてから20分ほどで施設に着いた。幸い土砂には埋まっていないようだ。

少し休んでいると、近所の農家の人たちと一緒にスズメバチの巣を採りに行くからついて来るように言われる。そんな話はちっとも聞いていない。学会後にのんびり休もうと思って来たのだ。土砂崩れで面食らっている時に、なぜ、地盤が不安定な時に山に入らなければならないのか...。

「いいっすね!」

と私は笑顔で答えた。ほとんど「うるるん」なこの状況では嫌な顔をするだけ損というもの。それに何もこんな時に、と思わなくはないが、蜂の巣採りに興味が無いわけではない。

車で少し移動。農家の軒先にはクロスズメバチの巣箱が置いてある。

なーんだ。釣り堀みたいなものじゃないか。

と私は思った。山に入ったら適当にワアワアキャアキャア言って絶対安全距離から見守ろうと思っていた私は、これだったら何とかなるかな、と思い、

「山に行くのだと思っちゃいましたよ」

と近くの農家の人に言った。

「は? 山に行くんですよ」

と農家の人。

「くまんばちを待っているんだよ」

と、別の人が続ける。

それを聞いた私は青褪めた。

山に行くにしてもクロスズメバチを採るのだと思っていた。クマンバチというのはもっと大型のスズメバチの呼び名なのだ。

「一番大きい奴ですか?」

と、恐る恐る尋ねると、そうだという。オオスズメバチ。毎年何人もの人間の命を奪う恐ろしい昆虫。笑うしかないので笑った。農家の人も楽しそうに笑った。Yさんがどんな顔をしたのかは憶えていない。

昼間のうちに巣を見つけて、夜襲をかけるのだという。気がつけばKさんがいない。Kさんは? と聞くと道の反対の木の上を指差す。どうやって登ったんだと思うような、凄く高い杉の木の上にKさんはいた。一人がトランシーバーでKさんと連絡を取っている。

聞くと、これから山に入り、準備した餌に飛んでくるスズメバチを見張ってその飛行コースから巣の位置を割り出すのだという。参加人数を考慮するとどう考えても「今朝決まったイベント」という感じではない。何故、事前に教えてくれなかったのだ...。そういえば、蜂の子が食べたいか? とKさんに聞かれたっけ。 私は食べたいという希望を伝えてはいたが...。それでは牛が食べたいかと聞かれて、食べたいと答えたらじゃあ牛を殺せと言われるようなものである。どちらも嫌だけれど、牛のほうがまだ良いかもしれない。

私が全力で問いかけたいその人は、やはり信じられないくらい高い木の上にいた。

それは漫画のような風景だった。

「そろそろ来る頃だな」

と農家の人が言った。

待つこと、数分。

重い羽音と共に恐怖が飛来した。

<続く>

↓よろしくおねがいしますだ。

by g-hop | 2006-02-02 17:36 | 過去の出来事


河童沼の写真

先程のエントリで書いた河童様UMA(「かっぱさま」じゃ無くて、「かっぱよう」と読むのですよ)が生息していると思われる沼の写真です。妖気などがムンムンしておる様子がおわかり頂けますでしょうか。
by g-hop | 2005-12-05 23:24 | 過去の出来事


河童
某大学独立バイオ風ラボ助教授様よりプレッシャーなど頂いたのですが、原著論文のことはあえて書かずに、不思議な体験の第二弾を書きます。新たな体験でもしない限り不思議体験はこれで終わりです。

タイトルを見て、やれやれ、と思った貴方や貴女の気持ちは良くわかります。でも今回は幼稚園の時の夢だか何だかわからない話ではなくて、中学校の時、しかもハッキリクッキリ起きている時のことなのです。まあ聞いてくださいよ。私もこんなことを書いて信用を無くすんじゃないかとビクビクしながらそれでも書くんですから。

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by g-hop | 2005-12-05 15:26 | 過去の出来事


霊体験
小心者には良くあるパターンだと思いますが、恐い話が私は大好きです。
幽霊は実在しないと思っていますが、それでも昨夜はラップ音のような音が沢山してなかなか眠れませんでした。空気が乾いて、木がピシピシ音を立てているだけなのでしょうけど、昨夜はうるさかったのです。

「幽霊を見たことがあるか」と、日常生活の中で不意に問われることが我々にはありますがそんな時は、

「幽霊は見るものではなくて叶えるものです」
「あるような気がする」

と答えています。


それは、幼稚園の時、宮城の祖母の家に盆に遊びに行ったときのお話です。



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by g-hop | 2005-12-03 01:58 | 過去の出来事

    

とある昆虫研究者のメモと日記。主に面白いと思った論文の紹介をしています。リンクフリー。コメント大歓迎。
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